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10年後の日本の会社と働き方 [経営学〔組織と戦略〕]

10年後の日本の会社と働き方


今二十歳の人たちが三〇歳になる頃、彼ら・彼女らはどのようなキャリアライフをおくっているのだろうか。変わらないと言われてきた「日本型経営」が、このところ大きく曲がり始めている。報道された事実をつなぎ合わせて、10年後の予測をしてみよう。

1990年代から揺らいできた制度がついに変わる。日本を代表する企業、トヨタ自動車と三菱UFJ銀行が変わることは「日本型雇用システム」に止めを刺すことを意味する。

   

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株主重視と社員重視 [経営学〔組織と戦略〕]

日本の会社は株主のものか


 


神戸大学の三品教授が、今週号の『週刊東洋経済』(2018825日号)に興味深いことを書いていた。その趣旨を自分の考えも交えて紹介する。


会社は株主のものだという意味は、売上から費用を差し引いた残余利益が株主に帰属するということである。会社が好調な時は、株主の利益は増え、逆のときは減る。いずれにせよ「費用」を不当に操作したり、ごまかしてはならない、たとえ企業が儲からないときでも費用は正確に粛々と差し引かれるべきものだ。そのうえで、株主がリスクを取るからこそ、株主重視が正当化される。


日本でも株主重視が叫ばれているが、実態はリスクを従業員に取らせている。会社の業績悪化時に、従業員が給与やボーナスをカットする制度が残っているのがその証拠だ。従業員の給与は「費用」の一部なのであり、企業業績とは無関係に粛々と差し引かれるべきものだ。不況時のリスクを負うのは「会社の所有者」たる株主だからだ。


また、日本ではボーナスは住宅ローンに組み込まれていて、実態は欧米的なインセンティブではなくただの賃金にすぎない。


 


 

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企業文化・マインドセットの組織論 [経営学〔組織と戦略〕]

企業文化・マインドセットの組織論


2018年8月19日


近年、資源ベースの組織戦略論では「マインドセット」や「企業文化」のマネジメントに関心が集まっている。グーグルの人事担当上級副社長、ラズロ・ボックは「文化は戦略を食う」と言っている。マイクロソフトのCEO、サティア・ナデラも明確に述べている:

「私はCEOのCは[culture]のCだと考えたい。CEOは、企業文化の管理人だ」(ナデラ『ヒット・リフレッシュ』日経BP社、2017年)

なぜ、近年の組織戦略論では企業文化に焦点が当たるのだろうか?


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日本だけコカコーラとアルコール [経営学〔組織と戦略〕]

IMG_1869-b.jpg(写真:ローマ、詩的な路地、2017夏撮影)


《写真》
イタリアに長期滞在してボーッとしているのが好きだ。小さい町の方がいいのだが、ローマやミラノのような大都市でも、観光ガイドに掲載されていない普通の街が好きだ。
そこを歩いていると、すばらしい路地に出会える。生活の空間である。その路地は住民の生活につながっていて、安くておいしいトラットリアやバールにもつながっている。小学生が学校から帰る道であり、小さな噴水のまわりでお年寄りが話をしていたり、アパートのアーケードの日陰でローマの強烈な夏の日差しをさけている。
僕たちは今日の生活を明日の手段にする。今していることは、何か目的のための有効な準備でなければ気がすまなくなっている。ローマでは、生活そのものを楽しんでいる。明日ではなく今日が人生の目的なのだ。

日本だけコカコーラからアルコール飲料が発売されるという。海外ではFTなどが結構しっかり報道している。日本でも少し遅れて報道されているから、ニュースバリューがあると感じるのは僕だけではないのだろう。


《コカコーラはアルコール飲料に参入すべきか否か?》






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安定志向の人生と社会:日本 [経営学〔組織と戦略〕]

安定志向の人生と社会


2017年12月27日

「日本企業の稼ぐ力が低いのが問題だ、経営者はもっとリスクをとれ」と先日、テレビのコメンテーターが言っていた。今日、年末の買い物に出かけたときにふと思い出した。

たしかにROA(=EBITDA / 総資産)の時系列ボラティリティ(標準偏差)は日本企業は驚異的に低い。数年前のデータでは、オーストラリアが12.1、カナダが9.4、アメリカが8.8、韓国とドイツが5.1と5.7だったのに対して、日本はたったの2.2しかなかった。

だがこれは上下のブレが異常に低いという意味で、リターンだけでなくリスクも低いことを意味している。

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東芝ショックとトラスト・コスト [経営学〔組織と戦略〕]

2016年12月29日

東芝ショックとトラスト・コスト

「トランプラリー」の興奮のあと、「東芝ショック」 が日本マーケットを襲った。Financial Timesなど海外にもトップ記事に並ぶ扱いでニュースが伝わっている。この会社が、このタイミングでマーケットに与えたダメージは予想外に大きく、長引くとみている。キーワードは信頼コスト(trust cost)だ。

James Montierが行動ファイナンスの本に書いていたが、投資家は情報の非対称性に直面して、しばしば極端な行動をする。その一つが「確証バイアス」confirmation biasと呼ばれるものだ。今回、東芝は投資家に不信の確証バイアスの根拠を与えた。

 

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英国離脱(Brexit)続き [経営学〔組織と戦略〕]

英国離脱(Brexit)続き

2016年6月25日(土)
昨日の欧州連合(EU)からの英国離脱決定は、さっそく日本企業にもその影響を拡大しつつある。今日未明(1:33)の「日経電子版」によると、英国離脱によって戦略見直しが必要な日本企業は、日立製作所(鉄道車両、原発建設)、日産自動車(サンダーランド工場、年間50万台) 、トヨタ自動車(年間19万台)、ホンダ欧州(年間15万台)、キヤノン(地域売上高、年間1兆円)、ソニー(サリー州など6カ所の拠点、全社売上高の1割弱は英国から)、など。

実際、英国離脱の直前までは、主要企業は「1ドル=110円」を想定していたところが52%だった。レンジの幅は、ファナックやトヨタのように105円からNECやウシオ電のように115円までだった。対ユーロでも125円想定のNEC、ダイキン、川重から115円のファナック、119円のトヨタなど。昨日からは「1ドル=100円」、「1ユーロ=110円」を見込むトレンドに一瞬で転換した。主要200社の経常利益は3.6%減少してしまうという試算もある。何よりも「想定外」であることが市場にショックを与える。「ブラックスワン理論」である。

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英国離脱(Brexit)とグローバル化の終わり [経営学〔組織と戦略〕]

英国離脱(Brexit)とグローバル化の終わり 

2016年6月24日(金曜日)

驚きの大逆転だった。朝方は、やはり離脱はないだろうという想定でマーケットは動いていた。「いくら難民問題があっても、失業率が高くても、いろいろな国でトランプみたいな声が大きくなっていても、最後は英国紳士の理性的な判断が事を収めるだろう」 というのが「想定」だった。

ところがBBCで開票速報が進むと、残留派の本拠地スコットランドでも意外に離脱派が票を伸ばしたり、各地で離脱派の底力がひしひしと伝わってきた。そしてお昼前にBBCが離脱派勝利の速報を出すに至り、「想定外」の虚を突かれたマーケットは大荒れに荒れた。アルゴも起動して荒れた東証では、ついにサーキットブレーカーが取引をいったん止めた。「リーマンショック以来の世界経済危機」という文字が頭をよぎった瞬間だった。 

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旅行バッグのビジネス(サムソナイトがTUMIを買収) [経営学〔組織と戦略〕]

2016年3月4日(金)
日差しが暖かくなってきた。今年は夏休みの旅行をまだ予約していないので、そろそろ焦りはじめた。それにしても、飛行機の席はなぜあんなに早く埋まってしまうのだろう。もちろん供給と需要のバランスに問題があるからだ。それなら供給を増やせばいいのだが、規制産業には市場メカニズムは機能しない。岩盤規制が成長戦略を押しつぶす構図。ともあれ、ヨーロッパの美しい晩夏の旅行が唯一の楽しみ、という人は僕の他にもたくさんいるはずだ。

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日本企業の戦略的無方向感:シャープを考える [経営学〔組織と戦略〕]

IMG_0661.JPG
(写真)スイス,チューリッヒ,2015年晩夏

2016年1月5日(火曜日)

謹賀新年。
昨年はあるテーマに専念して勉強した。去年の正月よりも「進歩」した実感がある。たいした進歩でもないだろうが,昨年まで意味がわからなかった情報がわかるようになったのは嬉しいし,そもそも以前ならその情報には気がつきもしなかったはずだ。今は,その出来事や数字がおもしろくてしかたがない。人生,得した気分である。

 

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