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日本の液晶ディスプレイ事業の再生は可能なのか [経営学〔組織と戦略〕]

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Dexter Gordon/ Go!/ recorded on August 27, 1962.

2012年3月5日(月)
寒い一日。東京は6℃だった。朝,会社に向かう人々が白い息をはきながら,マフラーとコートで最後の冬と闘っていた。灰色の空には裸の枝が揺れていた。こんな朝はドイツの冬を思い出す。

日経新聞電子版(19:08)によると:
官民ファンドの産業革新機構は,今日,東芝,日立製作所,ソニーの3社と共同設立する中小液晶パネルの新会社「ジャパンディスプレイ」が,パナソニックの茂原工場(千葉県茂原市)を4月に買収することで最終合意した。

 

買収と新設備投資にざっと1,200億円かけて,スマートフォンやタブレット端末向けの高精細パネル向けの最先端ラインを作る。

この日本型の合従連衡は,先に破綻した半導体のパターンと同じ部署で起案されたにちがいない。そんなパターンだ。評判はともかく,昨年11月15日,東芝,日立,ソニーの3社が中小型ディスプレイ事業の統合を正式に契約したときから芳しくなかった。エルビーダが終わってからはなおさら期待薄だろう。

ではなぜ,こういう官主導というか,日本的な方法で産業構造を整理するしかないのだろうか。過当競争が問題なのは前々からわかっていた。韓国ではIMFによってバッサリ整理された。その分,V字回復した。日本では半導体や液晶ディスプレイのようなグローバルな競争力を失った産業を,「お上」に依存してソフトランディングさせようとする。

それはエルピーダと同じ結果にしかならないのではないか,という評価は多い。税金の無駄遣いに終わる。こんな寒い日は,せめて心が温まるような話はないものだろうか。

今日の1枚は,デクスター・ゴードンの「Go! Dexter Gordon」。1962年8月27日録音。アメリカのアマゾンでは★5つのコメントが30,★4つが1という秀逸な評価。もう古典と呼ばれているアルバムだ。

Sonny Clark (piano)がともかくすばらしい。この人がピアノを弾いているブルーノートならまずはずれはないと僕は信じている。オープニングの「Cheese Cake」だけでも聞く価値ありの名盤。

Sonny Clark (p), Butch Warren (b), Billy Higgins (d) は実はあの「Leapin' and Lopin'」(Blue Note 4091)のトリオなのだ。「Where Are You?」も,寒い一日を終えるあなたにお薦めしたい。


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教授

ナイス!をどうもありがとうございました。
by 教授 (2012-03-08 14:45) 

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