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サウンド・オブ・サイレンス(映画 卒業) [ジャズ日記]

 

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1966年発表されたサイモントガーファンクルのセカンドアルバム。映画「卒業」が翌年にヒット。この曲からダスティン・ホフマン主演の名画を思い出す人は多いだろう。

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青葉茂れるという言葉があるが、この映画ほど瑞々しい若さを描ききった作品はない。主演のダスティン・ホフマンがすごい。彼が演じたベンジャミンは、最初は目的を失って実家でゴロゴロしている優等生、そのベンがエレーンと出会い、恋に落ちて生命力がフル回転してくる若者に変貌する。ダスティン・ホフマンがスクリーンの中でまるで別人のようになる。

登場人物はすべてキャラが立っている。ベンジャミン、エレーン、そしてこの映画のキモとなる孤独な魔女ミセス・ロビンソン。

 

ベンはミセス・ロビンソンとの駆け引きに負ける、正確には駆け引きにのらないで、誰にとっても大損のくじを引く。そして普通の青年なら諦めるはずの逆境の中から「恋のターミネーター」みたいなベンが復活する。

映画ならではの表現、記憶に残る美しいシーンもたくさんある。バークレーの美しいキャンパス。そしてまっ赤なアルファロメオが走る緑の風景、エレーンが医学生と結婚してしまうその教会にむかっている大事なときに、なんとガス欠するあのアルファロメオだ。

そういうすべてのシーンをサイモンとガーファンクルの音楽が包む。

この美しいラブストーリーの背景には当時の緊迫したアメリカ社会がある。ベンジャミンがこの現実と無関係な学生でなかったことは、彼が大学新聞の編集長として活躍した設定でもわかる。(最初のプールのシーンで無力感に漂いながら現実逃避していたベンジャミン!)

この作品の最大のポイントは、殺伐とした現実社会から切り離して、恋愛という美しいものをただ美しく描いたノイズのなさにある。

1961 キューバ社会主義共和国宣言
1961 アラバマ州で人種差別反対運動、戒厳令施行
1961 ヘミングウェイ自殺
1962 キューバ危機、アメリカ海上封鎖
1963 人種差別反対ワシントン大行進
1963 ケネディー暗殺
1965 ワシントンでベトナム反戦行進
1966 米国各地でベトナム反戦デモ活発化
1967 黒人暴動、各地に
1967 反戦兵役拒否デモ広がる


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