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未来のために今すべきこと (3) 情報分析力 [ジャズ日記]

2013年8月9日(金)

未来のために今すべきこと(3)情報分析力

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個人投資家の中には奇跡的に稼いだ人もいる。マネー誌は、そういう例外的存在をあたかも誰でもそうなれるかのように特集を組む。

しかし別の意見もある。ゴールドマンに長年勤務していた人の意見だが、個人のレベルでどんなに機材をそろえたところで「空母に竹槍で立ち向かう」ようなものだという。欧米の有名大学で数学や物理学の博士号を取った人たちが、100名単位で組織化されたウォール街の投資銀行やヘッジファンドが空母。個人投資家は竹槍だ。

「個人が情報収集力で利益を得ようと考えるのはおやめになったほうがいいでしょう」というこの人の意見に納得した。

「もしおいしそうな『誰も知らない情報』が舞い込んできたら、それに賭けて投資しますか?」

彼によれば、それは機関投資家がマーケットにばらまいた餌だ。当然、すでに株価に織り込み済み。それをしらないでエントリーする一般人は高値づかみをさせられる。買ったところから値段は落ちていくだけだ。

「情報収集」は、インターネットによって低コストになった。たしかにそうなのだが、僕がここで警告したいのは、大事なのは情報を集めることではなく、それがもたらす実務的意味を分析することだ。そしてそれはプロの機関投資家でも容易ではないのだ。

「情報分析」の難しさを示すエピソードがある。1989年、西ドイツの担当大臣は東西ドイツを隔てていた壁がいつかなくなることを「可能性はない」と否定した。壁はその翌日、崩壊し、ドイツは統一された。

また昨日のニュースでは、世界トップクラスの某ヘッジファンドが、今年前半の成績はマイナス0.6パーセントに落ち込んで、夏休みを返上しているという。(なるほど、だから夏枯れ相場なのに、先物主導の裁定取引でこんなにボラティリティが高いのか、と僕は納得)
情報化時代は、情報コストが低下した時代だ。しかし人間が「情報分析」をする能力が高くなった時代ではない。

ここでキャリアの話。
大学時代にすべきことは何か。誰が何といおうと、情報分析能力の基礎を身につけることだ。各人のキャリアゴールによって、その基礎能力の分野は異なる。自分にとって何が必要かは、それぞれが「分析」してもらいたいと思う。

目的地を持たない船に追い風は吹かない(セネカ)。この古代の哲学者の言葉は、人間や組織にとって目的や長期方針を持つことの意味を実践的に教えている。なぜなら、目的地が不明確な船にとって、どんな風や潮も逆風にしかならないはずだからだ。そんな人生はつらいだろう。
 
未来のために今すべきことはなにか:
  • 結論1 人生哲学(長期方針)を育むこと
  • 結論2 情報収集スキルだけでなく、情報分析能力の基礎を養うこと 
*このシリーズは三枚とも夏にふさわしいCDを紹介した。ボサノバは暑さをしのぐためには必須。リオの暑さがこんなに湿度が高いのかは不明。

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