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パック旅行を個人化する方法(後編) [旅行]

 

パック旅行を個人化する方法(後編)

なぜ多くの人がベストであるはずの個人旅行を諦めてしまうのか。その「3つの壁」を前回、書いた。

軽くおさらいすると、現地の言葉でなく、英語が通じる店を考えてほしい。観光客がターゲットの店だから英語を話す店員がいるのだ。ソウルの焼肉屋など、ミョンドンでは日本語が通じる。そのかわりソウルの友人やホテルのコンシエルジュに教えてもらった店では、日本語も英語も通じない、韓国語のみ。店内は現地の人たちばかり。これが驚くほどうまい、田舎に自分の牧場を持っていて牛や豚を育てている、直営店。しかもびっくりするほど安い。お店のおじさんとは親戚のように仲良くなる。

古い話で恐縮だが、ローマの路地でも、ふらりと入った小さなリストランテが忘れられない。カタコトのイタリア語を話すアジア人の青年に、店のオー ナーのたっぷり太ったおじさんは、肩を組み、「わが息子よ」と次から次へと食事を勧めてくれた。(もっとも「わが息子」なんて、その場のノリのようなもの で、誰にでも言うことはあとから知った)

まず「言葉の壁」は、旅行用の外国語ブックを事前に勉強すること。それを肌身離さず街を歩くこと。けっして英語は使わないこと。郷に入りては郷に従え、というではないか。1週間いたら、ずいぶん慣れる。覚えるのは2つ:

  • 基 本の挨拶(店に入るときの「こんにちは」「こんばんは」。食べ終わったあとのお礼の表現を少なくとも3つ。会計を済ませたあとのお礼の表現=おつりをもら うとき、お礼をいうのは客のほうなので注意)。ちょっとした誤る言葉(地下鉄で方が触れた、エレベーターで鞄があたった)。本気であやまる表現。
  • 数字(とくに聞き取りが大切)。数字が聞き取れないと、その国ではお金のやりとりができない。フランス語も韓国語もリエゾン(連音)するから注意。お金の数字は、その国の人々にはもっとも日常的で慣れている言葉。そして観光客にはもっとも不慣れで、まちがいやすい言葉。
これだけくり返して覚える。

 

その際、カタカナで覚えた発音は、基本的に現地では通じにくいと知ってほしい。CDでくり返し、耳を慣らしながら、できればネイティブに発音チェックしてもらうとよい。

あまり何回も通じないと、自分でも自信がなくなり、話すのがおっくうになるから要注意だ。

こ うして「言葉の壁」を一段こえたら、今度は現地で勇気を出して、大きな声で使ってみることだ。日本語は発音の時に筋肉をあまり使わない。ヨーロッパ言語、 韓国語もそうかもしれないが、しっかり口のまわりの筋肉を顔面アスリートになったつもりで使うこと。大きく口を開けて、日本だったら笑われそうなほど表情 豊かにコミュニケートすること。

「移動の壁」は地下鉄やタクシーを有効に活用することだが、言葉の壁を乗りこえると自然にこえる。ただし日本のように安全ではないので、気をつけたい。

「費 用の壁」は旅行代理店で、個人旅行の手配を半分してもらうのが、初心者には安上がりだ。最初は、泊まったこともないローマのホテルに電話やメールで予約を 取るのはむずかしいからだ。慣れてくると、とくに前に泊まったホテルだと、一流であればあるほど予約は簡単だ。三流ホテルは態度も悪く、?がつくが、きち んとしたホテルの安い部屋をお勧めしたい。

現地であまり移動しないことも「費用」の点で重要だ。パリに行く人がモンサンミッシェルに行くパ ターンを日本の旅行業者は確立しているが、バスで何時間かかると思いますか? フランス人が東京に観光に来たとします。バスで1日つぶして他のところに観 光につれていこうと思いますか。

それならパリの街角で気のきいたカフェに入って人をウォッチングしていたほうが、ずっと観光している。旅行代理店のドル箱である「オプション」には気をつけよう。受け身の旅行は、とくに若者はやめたほうがいい。いい旅行をするために努力を惜しんではいけない。

1 週間程度ならば、1つの都市、同じホテルが基本だ。ヨーロッパの人たちは2週間くらい同じところに滞在するが、われわれは地球の反対側から行くのだから、 せめて5泊くらいは同じところにステイしたい。そのまわりに美しい散歩道があるだろうし、小さなブティックやケーキ屋さんやデリカテッセンがあるかもしれ ない。夜はコンサートかショーでも行けばいい。そのためのフォーマルなスーツやドレスもスーツケースに一着入れておくことをお忘れなく。

ショーがひけた深夜の街をホテルまで散歩する時間をつくりたい。ドイツでもフランスでもイタリアでもそういう生活のために都市が整備されているからだ。昼間にオプションツアーで疲れてしまうと、夜はでかける体力が残っていない。

都市は夜を楽しむための文化がある。よい旅行にするためには、費用と労力はここにこそかけるべきだ。


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