パック旅行を個人化する方法(前編) [旅行]
John Coltrane/ Blue Train
http://www.youtube.com/watch?v=S1GrP6thz-k
パック旅行を個人化する方法 (前編)
夏休みの海外旅行ハイシーズンも過ぎて、これから秋から冬に海外旅行を計画中の人もいるだろう。企業でも、休暇の時期をずらすことにずいぶん寛容になった。学生はもちろんこれから海外に出るはずだ。今日は、セミ個人旅行の仕方について書こう。
ほんとうにリラックスするために、そして海外文化を経験するためには、個人旅行がベストだ。しかしリスクもコストもかかる。僕は3つの壁と呼ぶ:
- 言葉の壁
- 移動の壁
- 費用の壁
初 めての国に行くとき、いちばん困るのは「言葉の壁」だ。ハングルは読めないし、フランス語は勉強したことがない。ましてイタリア語やドイツ語は何がなんだ か、という状況に1週間耐えるのは厳しい。買い物も食事も店員さんとカタコトの英語でやりとりする。とうぜん店員さんも外国語だから、旅行者に親切にする 余裕はない。これではあなたもその国の文化に愛着をもつはずがなく、できれば避けたい状況だ。
1人で飛行機の往復チケットをとって、イン ターネットで現地のホテルを予約して、(ここまでは容易)さあ現地飛行場に着きました。空港を出たとたん、交通機関の選択が始まる。ホテルまでリムジンバ スで行くのか、電車かタクシーか。いちばん快適なのはタクシーだが、国によってはぼったくりや犯罪に巻き込まれるリスクが待っている。「言葉の壁」をクリ アできる人でも、「移動の壁」はある。ホテルまでは着けるだろうが、滞在期間中、ホテルに閉じこもっているわけではないから、地下鉄なりタクシーなりを毎 日使わなければならない。パック旅行のように大型バスが迎えに来てくれないし、日本語の説明もない。
なによりも個人で設定する旅行はパック旅行よりも割高だ。「費用の壁」を乗りこえるのは、よほどの決心がいる。海外旅行は奥さんと常にビジネスクラスで行く知人がいるが、そういう身分なら話は別だ。一般人には最後の壁が高い。
それでも3つの壁をこえたときは、パック旅行ではぜったいに見えなかった現地の風景や人びとが見えてくる。大型バスで観光地とお土産屋をまわって、1週間、日本語の中で過ごすのでは感じられなかった現地の空気が肌に感じる。
東 京に旅行に来ている外国人の大型バスツアーをご覧になって、みなさんは、あの人たちが東京の空気を感じていると思えますか。「秋葉原」「銀座」「六本木」 でバスを降りて、30人くらいで買い物と食事をして、またバスに乗り込んで成田に消えていく人たちは、東京の何を感じてくれたのでしょうか。
同 じことを日本人も、パリやローマやソウルでやっているのでは? それは3つの壁が高いから、どこかでその壁にひっかかってしまい、妥協の産物だと思う。ほ んとうは恋人同士で、夫婦で、家族で、パリやローマを歩きたいし、路地の小さくてもこぎれいなレストランで食事がしたいのだ。ウェイターと気のきいた会話 でもしながら、時間を忘れて、路地の隙間から見える夕暮れ空を見ていたいのだ。そういう風景は、何年たっても心に焼き付いて残っているから。
さて、3つの壁をどう乗りこえるかは次回のお楽しみに。
追記:コメントいただいた方、感謝します。
コメント 0