Martin Taylorと構え [ジャズ日記]
Freternity / Martin Taylor (g). Sony. 2007.
2009年3月11日(水)
僕のように何をしても器用じゃない人はいる。つらつら考えてみるに、その原因は「構え」だ。
構えというのは、ものごとを始める前の基本動作、準備のことだ。たとえば『座る力』という本があるが、きちんとした姿勢で座ることができない子供はすぐに疲れてしまって、学習能率も悪いだろうし、成績なんてよくなるはずがない。
論文を書くとか、就活をするとか、会議をまとめるとか、要するに何でもこの構えがなっていないと非生産的なのだ。
現代最高峰のジャズギタリスト、マーチン・テイラーの新作ジャケットをみてほしい。クラシック・ギターの教科書通りの見事な「構え」だ。もう少し右手首をピックアップと平行にすればまさに教科書の姿勢だ。ジョー・パスもそうだが、彼も高い位置にネックをもってきて肩をリラックスさせて弾いている。この構えから創造的なフレーズがとびだしてくる。
この構えを見るだけで、なんというか、始まる前に勝負がついている。試験も面接も、始まる前に実際には勝負はついているのだから、その人のたたずまいのようなもの、雰囲気が構えといえる。
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