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CCRと愛の力 [ジャズ日記]

CCR.jpg
Creedence Clearwater Revival_Green River/ 1969
Recorded March - June 1969 in San Francisco

2013年10月2日
海外の学会発表から2週間たつが、時差ぼけがようやく治りつつある。体内時計がおかしくなっているから、こまごまとした仕事しかできず、ためこんでいた資料や雑誌を整理したり、道に迷って同僚の先生方に迷惑をかけた猛省からイタリア語の教科書を勉強し直したりの日々。かたことで話す外国語ほど迷惑なものはない、猛省。

古い雑誌の中におもしろい記事があったので紹介したい。 Newsweek誌(December 10, 2007)

" How Japan lost its high-tech mojo "の記事をとっておいたようだが、今日は、CCRのジョン・フォガティーがロックスターとして、バンド解散後にどんなに悲惨な人生を余儀なくされてきたかのインタビュー記事のほうを紹介させてほしい。

 

CCRが当時のロックバンドで希有だったのはその名前の通り環境保護を意識したバンドだったことだ。政治的には「Who'll stop the rain」(Cosmo's Factoryに収められている)が有名。「雨」とはベトナムの北爆攻撃のことだ。

「Green River」も代表作のひとつ。R&B、カントリーロックがベースになって、自然なメロディと歌詞がジョン・フォガティーの豊かな才能を示す。ア メリカらしい、アメリカの良いところを全部持っているそんなバンドだった。最近では「雨を見たかい」もコマーシャルに使われたこともあって有名。

ところが解散後のジョンの生活は惨めだったようだ。彼の言葉のままで「 バンドは崩壊し、恐怖さえ感じるくらいの嫉妬と裏切り」そして著作権やカネをめぐる訴訟と法廷闘争が30年も続いた。

ついにある日、ジョンはおかしくなり、自分の電話番号も、住所も分からなくなった。デパートで靴下さえ買えなくなっていた。まさにどん底だった。

し かし1986年の秋、彼は「今まで見たことのない美しい女の子」に会った。ジュリーと彼は恋に落ち、彼はこの愛によって復活。長い間歌わなかったCCR時 代の歌も歌えるようになったという。「今では僕(ジョン)は62歳、ジュリーは47歳になるよ。20年間に4人の子供も授かった。もし彼女に出会わなかっ たら、今の僕はないよ、音楽も家族も何もないと思う」。

CCRのクリーンなイメージとその後の醜い争いは驚きだったが、そういえば当時から、ジョンと兄のトム・フォガティーの不仲は知られていて、最後にトムはCCRを脱退した。素朴なジョンにとっては、厳しい状況だったろう。

そ のころにリリースされたアルバムが「Pendulum」で、僕はいちばん好きだし、傑作だと思う。「Have you ever seen the rain」はこのアルバムに収められている。文脈から察するように、切ない歌なのだ。ビートルズも名曲は切ない。同じようにこの曲も、当時のジョンの心情 を察すると切なく、つらい。

30年とはそれにしても長くどん底にいたものだが、最後はジョンらしい結論だ。最近、飛行機の中でCCRの全アルバムを通して聴いた。長い間のイメージが溶けた。力をもらった気がする。

今回紹介したのは、40周年版に入っているコンサートでの「グリーンリバー」で同じEの「スージーQ」とメドレーになっている。後者はCCRのデビューアルバムに入っている、もちろん「グリーンリバー」の種になった曲だろう。すごい演奏になっていて聴き応えがある。


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